摩擦のある下置きスプリング (Spring Cans with Friction) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
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CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

多くの配管系システムで、配管は下置きスプリングで支持されています。下置きスプリングは吊りタイプのスプリングハンガーと同じ機能を持っていますが、配管の下部で支持するために配管を押し上げて下向きに圧縮している点が異なります。配管、トラニオン、シューあるいはクレイドルとスプリング支持板との相対的な動きは、配管システムに摩擦力が作用します。

摩擦を考慮する下置きハンガービルダー (Spring Can with Friction Builder) は、下置きスプリングについて単純なモデル化と合理的な詳細モデル化手法の 2つのオプションを用意しています。

合理的な詳細モデル化手法 (Comprehensive Method)

下置きスプリングの設計詳細を設定します。下置きスプリングの部品と断熱材について表現することができます。

剛体要素 (Rigid Elements)

要素 5-10

配管中心から配管外表面までを 1つの剛体要素で表し、長さは管外面までの半径とします。

剛体要素の寸法とプロセスパラメータは、下置きスプリングが置かれる節点 (SL) を共有する配管と同じ属性になります。

要素 10-15

配管外表面から下置きスプリングハンガーの上面 (HN) までの剛体要素です。要素の長さ h は、次のとおりです。:

  • 保温材と非保温配管のトラニオンまたはシューの高さ

  • 保冷された配管のクレイドルの高さ

剛体要素の寸法は、下置きスプリングが置かれる節点 (SL) を共有する配管と同じ属性になります。しかし、プロセスパラメータは雰囲気温度となり、圧力はゼロとなります。流体密度、製作公差、腐れ代、断熱材厚さ、断熱材密度などのその他のパラメータは、ゼロに設定されます。

要素 25-30

スタンションの有無にかかわらず、下置きスプリングハンガーの有効な設置空間長さ H を示す剛体要素を表します。

剛体要素の寸法は、下置きスプリングが置かれる節点 (SL) を共有する配管と同じ属性になります。しかし、プロセスパラメータは雰囲気温度となり、圧力はゼロとなります。流体密度、製作公差、腐れ代、断熱材厚さ、断熱材密度などのその他のパラメータは、ゼロに設定されます。

摩擦を考慮するための拘束 (Restraints to account for friction)

接続節点 (Cnode) 20 付き節点15

Y軸を鉛直とする場合に、水平拘束方向 X と Z のハンガー

接続節点 (Cnode) 25付き節点20

摩擦係数 µ の鉛直拘束 +Y

節点 30

拘束の固定節点 ANC。固定 (アンカー) 節点は機器、プラットフォームあるいは支持構造物を表します。

  • 拘束でスプリングハンガーの摩擦力を考慮する場合、配管荷重を支持することはできません。下置きスプリングの上部にある配管、トラニオン、シューあるいはクレイドルでは、節点20 で摩擦力は FX と FZ になります。

  • 要素 25-30 は、節点20 に摩擦係数 µ の拘束 +Y を与え、接続節点 (CNode) 25 を削除すれば省略できます。

単純なモデル化(Simple Method)

保温、保冷あるいは非断熱状態の単純で包括的な設計に適用できます。剛体要素は用いられません。

摩擦を考慮するための拘束 (Restraints to account for friction)

接続節点 (Cnode) 55 付き節点45

Y軸を鉛直とする場合に、水平拘束方向 X と Z のハンガー

節点 55 接続節点 (CNode) 60

摩擦係数 µ の鉛直拘束 +Y

節点 60

拘束の固定節点 ANC。固定 (アンカー) 節点は機器、プラットフォームあるいは支持構造物を表します。

  • 拘束でスプリングハンガーの摩擦力を考慮する場合、配管荷重を支持することはできません。下置きスプリングの上部にある配管、トラニオン、シューあるいはクレイドルでは、節点55 で摩擦力は FX と FZ になります。

  • ソフトウェアは高さ H の下置きスプリングとして、節点55 から 60 までは要素がないにも関わらず、配管外表面下からの距離 H で固定節点60 が定義されます。