いつ単純なモデルを使うべきか、あるいは複雑なモデルを使うかの決まったそして単純なルールはありませんが、次のガイドラインでどのモデルを使うかの判断を示します。
複雑なモデルのガイドライン |
単純なモデルのガイドライン |
次の条件である場合複雑なモデルを使用します: |
次の条件である場合単純なモデルを使用します: |
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適用に際して不明確な場合には、メーカーのカタログ値の曲げ剛性は使わずに、せん断剛性を使うことをお勧めします。
ベローと付属物の重量は、ベロー両側のフランジ重量に加算してください。 配管系でハンガー設計を行うような場合には、特にベローと付属物の重量を必ず入力するようにしてください。
伸縮継手を使用する際は、機器ノズルの荷重が許容値内であることを確認した後、伸縮継手の変位限界をチェックしてください。 CAESAR II では、 解析 > 伸縮継手 (Analysis > Expansion Joint Rating) コマンドで、ベローの変形を評価できます。
大きな軸方向剛性を入力することで、単純なモデルを作成できます。 この軸方向剛性は、タイロッドをシミュレートし、ベローの軸方向の動きを拘束します。 タイロッドは、ベローの中心線に沿った剛体要素でモデル化することも可能です。 このとき、荷重はゼロとし、回転拘束して相対的な回転を止めてください。 実際に、中心線からオフセットのあるタイロッドは回転を止めます。
複雑なモデルでは、タイロッドの外径に等しい配管を使います。その厚さはタイロッドの外径の 1/2になります。配管軸から垂直に伸びる剛体要素と配管中心線に沿ってタイロッドの中心線上に剛体要素をモデル化してください。 複雑なモデル化の詳細は、タイロッド式ベロー - 複雑なモデル (Tied Bellows Expansion Joint - Complex Model) を参照してください。
いくつかのメーカーは、タイロッド端での摩擦力など伸縮継手の軸直角方向のたわみ性を低下させる要因があるとしています。 30%程度の軸直角方向剛性の増加が、これらの摩擦の影響を補うと考えられます。タイロッドのナットの緩み具合など現場の状況に応じて、複雑なモデルを使うことでこのようなシミュレートも可能になります。