静的荷重ケースのチェック (Check the static load cases) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

モデルのエラーチェエクの後で、荷重ケースを確認します。

  1. CAESAR II ツール ツールバーの 静的解析 (Edit Static Load Cases) をクリックするか、編集 (Edit) > 静的荷重ケース編集 (Edit Static Load Cases) をクリックします。

    静的解析 - 荷重ケースエディタ (Static Analysis - Load Case Editor) ダイアログが表示されます。

    CAESAR II は選択された配管規格と入力で定義された荷重に基づいて、一連の標準の荷重ケースを作成します。このチュートリアルでは、ソフトウェアは標準の応力解析を行う前にハンガーのサイジングに関する荷重ケースを設定します。ハンガーサイジングの関するアルゴリズムは標準の応力解析を行う前に 2つの解析が必要になります:

配管、内容物と断熱材の重量、設計温度と圧力、節点28でのハンガー吊り荷重が運転条件として設定されています。据付条件は重量とハンガー吊り荷重です。これらの応力解析に加えて、いくつかの応力条件について説明します。

配管規格では持続応力 (sustained) と熱膨張応力 (expansion) の計算が必要です。持続応力には自重、ハンガー吊り荷と圧力による応力が含まれます。持続応力は圧力が含まれていれば据付条件から計算できます。ほとんどの場合、配管に対して圧力は構造に対する影響が小さいので、CAESAR II では据付ケースに圧力の項が含まれています。応力解析は据付ケースを持続応力解析として扱います。持続応力の計算でそれ以上の荷重を加える必要はありません。

熱膨張応力はシステムの据付位置から運転位置までの変化を反映しています。システムの支持条件は非線形であり、この位置の変化は熱荷重だけの解析からでは決めることができません。

デフォルトでは、CAESAR II は熱膨張応力範囲を計算する3番目の荷重ケースを作成しますが、このケースは実はシステム全体の 3番目にはなく、すでに解析された運転と据付の結果になります。システムにおける運転の変形と据付の変形の差による応力範囲が熱膨張応力として計算されます。持続応力と熱膨張応力の次に考えられる 3番目の配管応力として短期荷重による応力がありますが、これは自動的に推奨される解析荷重ケースには含まれていません。ユーザーが設定する必要があります。同様に、疲労 (FAT) 応力ケースは配管規格、例えばTD/12で要求されている場合にのみ用意されます。

ほとんどのシステムで必要となる推奨される荷重ケースは次の通りです。

L1 (W) - ハンガー荷重 (Weight for hanger loads)

節点28 でのスプリングハンガーの自重吊り荷重を計算します。

L2 (W+D1+T1+P1) - 運転時スプリングハンガー移動量 (Operating for hanger travel)

スプリングハンガーの鉛直移動量を計算します。運転荷重に関連するすべての荷重分類がこの解析で使われます。自重、変形、熱荷重-1、圧力-1です。これらの 2つの荷重番号、ハンガーの吊り荷重とそれに伴う移動量から、ソフトウェアは Anvil のカタログから適切なスプリングハンガーを選定します。スプリングと適切な吊り荷重がそれ以降のモデルの解析に自動的に組み込まれます。

L3 (W+D1+T1+P1+H) - 運転荷重ケース1 (Operating case condition 1)

運転ハンガー荷重ケースを定義します。L3 は L2 と同じですが、サイジングされたハンガーの吊り荷重 (H) が含まれています。この解析で運転時のサポート荷重、システムのすべての節点における変形が得られます。L3 は構造解析ケースで、B31.3 の応力解析ケースではありません。石油精製配管規格では、運転条件そのものの応力をシステムの損傷モードに対する値としておらず、この状態の応力に対する制限を設けていません。運転条件の応力は持続応力と熱膨張応力に分類した後に評価されます。

L4 (W+P1+H) 運転荷重ケース1に基づいた代替持続応力 (Alternate sustained stress based on operating condition 1)

L5 に対する代替法です。L3の運転荷重ケースで得られた支持条件を用いて 1次荷重として応力評価します。

L5 (W+P1+H) - 持続荷重ケース1 (Sustained case condition 1)

冷間時の構造と応力ケースを定義します。この荷重ケースは想定される熱の影響 (D1+T1) を除いています。内圧 (P1) を含むことで、このケースはシステムの持続応力レポートで使われるべき荷重ケースとして必要になります。

L6 (L3-L5) - 熱膨張荷重ケース1 (Expansion case condition 1)

2つの基本となる荷重ケースの算術演算として定義されます。L3の変形からL5の変形を差し引いた結果です。このケースは据え付け位置から運転温度位置までのシステムの伸びのる変形範囲であり、この変形範囲がシステムの熱膨張応力範囲として使われます。