ジャケット管の入力 - 後半 (Jacket Input - 2nd Half) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

後半のジャケット管の入力データはジャケット管が直管部にのみあるため、前半よりかなり複雑です。このため、ジャケット管の要素は手で一つ一つ作成する必要があり、複製とはまるで正反対になります。モデルの部分複製は可能ですが、ジャケット管から余分なエルボを削除する時間のほうが直管部を手入力していくよりも多くかかるでしょう。ジャケット管を直接入力することで、スペーサの拘束もその都度作成できます。

基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログで必要な入力を開始するには、Ctrl + End を押して、モデルの最後のスプレッドシートに移ります。この時点で 継続 (Continue) をクリックして、節点番号を 2600 と 2610 に変更し、DX を 5 ft. とします。要素 2600 - 2610 はどこにあるのでしょうか? スプレッドシートに戻り、一時的に節点 2600 - 2610 の外径を 24インチに変更してグラフィックスを確認してみます。要素 2600 - 2610 は表示の原点にあります。この時点では、まだどこにも接続していないからです。ダイアログに戻り、外径を正しい値である 12インチに変更します。

ジャケット管を正しくコアの配管に接続するため、拘束を節点 2600 と 2610 に設定します。節点 2610 に接続節点 (CNode) 1610 を Y と Z方向の拘束として追加します。節点 2600 には接続節点 (CNode) 1600 を追加します。2つの節点 (2600 と 1600) を Y と Z方向に拘束することはやめてください。そのような方法では、ジャケット管を X方向に自由に移動でき、X軸周りに回転できることになり、モデルを不安定にします。前半のモデル化でこの問題が発生しなかったのは、ジャケット管がエルボを通過して連続であり、モデルが 3次元的であったことによります。後半のモデルでは、ジャケット管に軸方向とねじりに対して適切な拘束を確実に与える必要があります。節点 2600 は節点 1600 に対して固定 (Anchor) とします。これは X、Y、Z、RX の拘束を別々にモデル化するよりも、とても簡単です。これにより、8インチラインと 12インチラインとは、すべての自由度で物理的に拘束されます。

次のジャケット要素は、コア配管の節点 1616 (エルボのエンド端) から節点 1640 の部分です。節点 2615 は接続節点 (CNode) を介して節点 1616 を固定点 (Anchor) で拘束します。

次の 2つの要素 2620-2630 と 2630-2640 は標準配管要素で、DZ が -4.333 ft になります。それぞれの To 節点は、対応するコア配管の節点に接続節点 (CNode) を介して X と Y方向に拘束します。

残りの 3つのジャケット管部分は、まったく同じようにしてモデル化できます。モデリングの最終ステップでは、スプリングハンガーを節点 2615 と 2655 に追加し、2135 に +Y拘束を追加します。完成したモデルを次に示します。

完成したジャケット配管系 (Completed Jacketed Piping System)

完成した入力ファイルの例は JACKET._A で、[CAESAR II Directory]\Examples フォルダにあります。

入力作業が終了したら、ジョブのエラーチェックを行い、指定した荷重ケースの解析を行ってください。解析結果をチェックして、配管系が正しくモデル化されていることを確認します。次の点をチェックします:

  • コア配管、ジャケット管、アセンブリの重量が正しいかをチェックします。拘束-持続荷重 (Sustained Restraint) レポートがこのチェックで使えます。ジャケット管の流体密度がコア配管の体積より低減していなければならないことを入力に反映しているか確認してください。CAESAR II は自動的に補正は行いません。ユーザー自身でジャケット管についての流体密度を低減してください。

  • 配管系のコア配管、ジャケット管、あるいは機器の固定点 (Anchor) に大きな軸荷重が発生していないことをチェックします。これは、不適切な軸方向の拘束、あるいは異なる材質の熱伸びによって生じます。

  • 運転荷重でのエルボの変形をチェックして、コア配管がジャケット管を突き抜けていないかを確認します。CAESAR II は干渉チェックを行いません。

  • ジャケット管とコア配管が接続しているスペーサの変形をチェックします。スペーサの方向では、ジャケット管とコア配管は同じ動きでなければなりません。

  • 風荷重や波浪荷重が指定された場合、コア配管についてはこれらの荷重が作用しないことをチェックします。

  • コア配管の断熱材厚さがゼロに指定されていることを確認します。