CAESAR II における全体座標系から WRC 107 座標系への荷重の変換 (Convert Forces/Moments from CAESAR II Global Coordinates to WRC 107 Local Axes) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

容器の方向ベクトルを定義するために、ユーザーはまず、WRC107 による定義の出力データ点 (A-D) を判別する必要があります。ノズルに垂直な方向に定義される鏡板に接続するノズルを除いて、データ点 B と A の線は容器の中心線 (長手方向) に沿っています。したがって、図に示されている容器ノズル形状のように、A点は図の下部に位置し、容器の方向ベクトルは、(0.0, -1.0, 0.0) のように記述することができます。一方、ノズルの方向ベクトルは、(1.0, 0.0, 0.0) のように記述することができます。

ノズルの方向ベクトルは、常に容器ノズル接続点から容器の中心線に向かうように定義されます。

前述の図では、2つの節点55 と 56 が容器ノズル表面の空間を占めています。ユーザーは、接続節点56 を伴う節点55 の固定点 (anchor) を用いて、局部容器フレキシビリティーを剛としてモデル化することができます。

このモデル化手法の詳細については、CAESAR II ユーザーズガイド の「配管系入力」を参照してください。

この固定点 (anchor) は、WRC297 の局部容器フレキシビリティーで置き換えることができます。こうすることにより、ジョブは容器ノズル周りの荷重と変形をさらに精度のよい解を得ることができます。どのケースにおいても、拘束荷重は、CAESAR II の拘束レポート (Restraint report) から得ることができます。この荷重は、配管が容器に作用する荷重です。剛支持の場合の拘束荷重の例を次に示します。

ノズルに作用する持続荷重の合計は拘束荷重レポートに反映されていない場合があります。内圧推力は軸荷重としてノズルに作用します。内圧推力は常にノズルを容器から引き離す方向に作用します。たとえば、内圧 275 psi で、内径が 12インチの配管では、内圧推力 P は次のようになります:

P = -26 - P(A)
= -26 - 275p (122)/4
= -31,128

このPによる内圧推力は、WRC 107/297 解析モジュールを用いてその入力を自動的に調整できます。解析を始めるには、メインウィンドウのリボンで、解析 (Analysis) > 部品 (Components) > WRC 107(537)/297/PD5500 をクリックします。ソフトウェアは、まず新規の WRC ジョブを作成するようにメッセージを表示し、次にノズル (Nozzle Data タブ) と容器 (Vessel Data タブ) に形状データを、次に荷重データ (Loads Data タブ) を入力するようにメッセージを表示します。

WRC 297 解析を行うには、297 をクリックして、ダイアログの左側に新しいタブを表示します。

3つまでの荷重セット、持続荷重 (SUS)、熱荷重 (EXP)、短期荷重 (OCC) を入力できます。CAESAR II は自動的にそれぞれの荷重セットについて、 WRC 107 応力計算と応力の組み合わせを連続して行い、Appendix 4 of ASME Section VIII, Division 2 に要求される許容応力に対する応力強さを比較します。この例題では、持続荷重(SUS)、熱荷重(EXP)を対象としています。荷重を下図に示します。適用する必要のないボックスは、空白にしておくことができます。静的解析結果を WRC-107 で計算したい場合には、CAESAR II は出力ファイルから直接に荷重を取り込むことができます。これを行うには、各荷重ケースで Import Loads from Job をクリックします。CAESAR II は、ノズルデータ (Nozzle Data) タブで指定されたノズル節点番号から荷重を読み込みます。

解析を実行するには、 WRC 107/297 ツールバーの 局部応力解析 (Local Stress Analysis) をクリックします。出力ダイアログが開き、結果が表示されます。

WRC 107/297 ツールバーの MS Wordでレポートの表示 (View Report Using Microsoft Word) をクリックして、WRC 107 解析結果の出力を Microsoft™ Word に送ることも可能です。

入力エコーの後に、WRC107 から抽出した形状パラメータがレポートに印刷されます。この手順は、ユーザーがデータを収集することと似ています。これらの無次元化された数値とノズル荷重により、2つの垂直応力と1つのせん断応力が計算されます。応力は容器の内外表面のノズル周りの評価点 A、B、C、Dについて計算されます。CAESAR II は垂直応力とせん断応力を計算し、応力強さに変換します。これは材料の許容応力との比較に用いられます。応力の計算出力を次の例題に示します。出力にあるように、最大熱応力強さは 117485 psi で、外表面の評価点 B (Bu) で算定されています。

持続荷重 (SUStained Loads) による WRC 107 計算

熱荷重 (EXPansions Loads) による WRC 107 計算

WRC 107 応力計算: 容器ノズルでの容器応力一覧

不合格の項目は、画面上では赤で表示されます。

現在のノズル荷重による応力強さが ASME Section VIII, Division 2 の基準を満足していませんので、ノズル荷重を修正する必要があります。解決方法のひとつは荷重を調整することで、容器の肉厚を増すか、補強板を追加してノズルを強くする方法もあります。応力強さが許容値を満足するまで、これまでの手順を繰り返します。

補強板を採用する場合、CAESAR II は自動的にノズルとともに補強板の外縁の応力計算も行います。