容器とノズルの接合部にフレキシビリティを組み入れる (Incorporate flexibilities at the vessel and nozzle intersection) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

費用のかかる配管系モデルの修正を行う前に、WRC 297 によるノズルフレキシビリティを取り込んで 2度目の計算を行いましょう。より詳細な、より精度の高いモデルにより、再設計の必要がなくなるかもしれません。このモデル更新をアシストするため、CAESAR II はフレキシビリティを計算してモデルに挿入します。3つの脚 ABC の熱伸びが容器ノズルを変形させているのであれば、熱膨張によるポンプ荷重を低減します。アメリカ溶接研究協会の協会報である Welding Research Council (WRC) Bulletin 297, Local Stresses in Cylindrical Shells Due to External Loadings on Nozzles (Supplement to WRC Bulletin No. 107) はノズルフレキシビリティを定義しています。WRC 297 によれば、容器とノズルの外形と肉厚によって、線図から局部のノズルフレキシビリティが定義できます。これらの線図は、ノズルと容器の形状に次のような制限があります:

d/D < 0.5

d/t > 20

20 < D/T < 2500

d/T > 5

ここで:

d = ノズル OD (8.625 in.)

t = ノズル肉厚 (0.322 in.)

D = 容器 OD (60 in.)

T = 容器肉厚 (3/16 in 肉厚 + 1/4 in. 補強パッド= 7/16 in.)

容器が縦型でノズルがZ軸にあるため、ソフトウェアは節点40 に Z方向の並進方向と X および Y軸の回転のフレキシビリティを定義します。熱変位に対してノズル接合部は剛としてモデル化されていたため、その他の 3つの自由度、せん断とねじりは剛として扱われます。

  1. 現在のモデルファイルを Tutor-B として、メインウィンドウリボンの ホーム (Home) > 入力 (Input) > 配管系入力 (Piping Input) をクリックします。

    基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログとグラフィックビューが表示されます。

  2. ファイル (File) > 名前を付けて保存 (Save As) をクリックして、モデルファイル名を Tutor-B2 に変更します。

  3. 次の要素 (Next Element) を繰り返しクリックして進めるか、またはグラフィックビューで水平方向ランの端点をダブルクリックして、要素 35-40 を表示します。

  4. 変位 (Displacements) ボックスをクリックします。

    補助パネルの 変位 (Displacements) タブが表示されます。

  5. 節点 (Node) 1 の値を 40 から 6000 に変更します。変位の値を変更しないでください。

    節点6000 はスチームストリッパー容器を表します。容器には熱伸びの変形データがあるため、前に定義した節点40 の熱伸び変形は新しい容器節点6000 に再定義します。節点40 と節点6000 の間に配管要素を定義しないでください。

  6. ノズルたわみ性 (Nozzle Flex) ボックスをダブルクリックします。

    ノズル (Nozzles) タブが右側に表示されます。

  7. ノズル (Nozzles) タブに次の特性を指定します:

    • ノズルタイプ (Nozzle Type): WRC 297

    • ノズル節点 (Nozzle Node): 40

    • 容器節点 (オプション) (Vessel Node (optional)): 6000

    • 方向余弦 (Direction Cosines): VY: 1

      Y方向ベクトルの値 1 は縦型容器であることを示します。

    • ノズル詳細 (Nozzle Details):

      • 外径 (Outer Diameter): 8.625

      • 肉厚 (Wall Thickness): 0.322

      • 補剛から鏡板までの距離 (Distance to Stiffener or Head): 48.000

      • 反対側の補剛での距離 (Distance to Opposite Stiffener): 72.000

    • 容器詳細 (Vessel Details):

      • 外径 (Outer Diameter): 60.000

      • 肉厚 (Wall Thickness): 0.250

      • 補強板厚さ (Pad Thickness): 0.188

    • これらの特性を追加すると、ソフトウェアは計算したノズルフレキシビリティを節点40 と節点6000 の間に適用します。

    • WRC 297 では、ノズルと容器の方向は局所座標系で定義します。ノズルは Z方向で容器は Y方向です。新しい軸方向剛性は全体座標の Z方向 (ノズル中心線)、長手方向曲げモーメントは全体座標の X軸 (容器中心線または長手軸方向への曲げ)、円周方向曲げモーメントは全体座標の Y軸 (容器中心線周り) になります。

    • WRC 297 のフレキシビリティはノズル近傍の補剛に大きく影響を受けるため、ソフトウェアは容器の寸法を指定します。容器のトレーはノズルにもっとも近く、ノズルの上方向 4フィートの距離にあります。ノズルの反対側には、下部の鏡の接線とスカートの接続部が 6フィートの距離にあります。

  8. 保存 (Save) をクリックして WRC 297 容器ノズルの定義を保存します。