応力比 (Stress Ratio)
B31.3 Paragraph 323.2.2.b1-3 に基いて、ソフトウェアは次に示す項目の最大値を応力比とします:
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内圧による円周方向応力(フープ応力)を許容応力で割った比率。
B31.3 は円周方向応力に関する式がないため、CAESAR II は一般的な応力式を使います。環境設定ファイルの編集 (Configuration Editor) の Base Hoop Stress On (基本的な円周方向応力) で、ソフトウェアが用いる計算式を定義することができます。
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運転条件 (持続+変形ひずみ) で定義される合成応力を許容応力で割った比率。
ソフトウェアは、Paragraph 323.2.2.b1-3 の式 23a から 23d まで、基本荷重ケース、SIFs を 1.0 として合成応力を計算します。腐れ代と機械的トレランスは差し引かれます。
ソフトウェアは、Paragraph 323.2.2.b1-3 が許容応力を定義していないので、温度 Tx に対応する熱間時許容応力 Shx を使います。荷重ケースに温度が含まれていない場合、ソフトウェアは雰囲気温度 Sh の値を使います。
低減 (Reduction)
ソフトウェアは、計算された応力比、B31.3 Figure 323.2.2B または Table 323.2.2B に最小軽減温度における低減を行います。表は 0.30 から 1.0 の応力比によって、低減値を与えています。
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応力比 £ 0.30 の場合、ソフトウェアは 217°F に低減します。
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応力比 > 1.0 の場合、低減はありません。
最終 MDMT (Final MDMT)
最終の MDMT は応力比に基いて計算されます。
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応力比 > 0.30 の場合、最終 MDMT = MAX[基本 MDMT – 低減, -55°F]
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応力比 £ 0.30 の場合、最終 MDMT = MAX[基本 MDMT – 低減, -155°F]
ステータス (Status)
OK
最終 MDMT (Final MDMT)£ Tmin に設定します。
Impact
最終 MDMT (Final MDMT) > Tmin に設定します。
レポートはその節点に関する行を赤で表示します。
<空白>
エラーチェック (Error Check) で OK に設定します。ソフトウェアは詳細解析の一部である応力比、あるいは低減を計算しませんでした。エラーチェックでの 基本 MDMT (Base MDMT) をレポートの 最終 MDMT (Final MDMT) とします。詳細解析レポート例 の要素 30-40 と 50-60 を参照してください。
Unknown
エラーチェック (Error Check) の不明の状態を引き継がれて設定します。レポートは応力比、低減、および最終 MDMT の列に何も表示しません。詳細解析レポート例 の要素 70-80 を参照してください。
レポートはその節点に関する行を赤で表示します。
例
MDMT レポート例 を参照してください。
節点 10
応力比 (Stress Ratio) = 0.32
最終 MDMT = MAX[49°F – 172.4°F, -55°F] = -55°F
Tmin = 30°F
-55°F < 30°F であるため、ステータス (Status) は OK
節点 28
応力比 (Stress Ratio) = 0.29
最終 MDMT = MAX[49°F – 217°F, -155°F] = -155°F
Tmin = 30°F
応力比 (Stress Ratio) < 0.30 かつ Tmin > -155F であるため、ステータス (Status) は OK
節点 120
応力比 (Stress Ratio) = 0.48
最終 MDMT = MAX[49°F – 66.8°F, -55°F] = -17.8°F
Tmin = -25°F
Final MDMT > Tmin であるため、ステータス (Status) は Impact