次の情報は、米国ライフライン連合の文書 "Guidelines for the Design of Buried Steel Pipe (http://www.americanlifelinesalliance.org/pdf/Update061305.pdf) Appendix B: Soil Spring Representation" を参考にしています。この文書は、軸方向、水平方向、鉛直上方向、支承のバイリニア型の地盤剛性を用意しています。それぞれの剛性は、添え字 q で表される砂質土、添え字 c で表される粘土質の剛性です。データは非常に細かい粒状の土と純粘土にも適用できます。
粘着質の粘土と粒状の砂の地盤の剛性は、次のユーザ定義パラメータで定義できます:
c = 埋め戻し土の粘性
H = 埋設管の頂部からの土の深さ (ALA計算では、管センターラインからの深さ C2 で変換されています)
g = 有効単位長さ当たりの土重量
g = 埋め戻し土の乾燥重量
Ko = 据付時の土圧係数 (土の内部摩擦角を基準に計算)
f = 土の内部摩擦角と、土-管との摩擦角に関連するコーティング依存係数
φ = 土の内部摩擦角
地盤の弾性範囲は固定されるか、あるいは D & H の関数になっています。ただし、D については制限があります。
降伏変位係数 |
入力データ |
制限 |
---|---|---|
Δt (dT) – 軸方向 |
ユニット長さ |
― |
Δp (dP) – 水平方向 |
D の倍数 |
0.04(H+D/2) |
Δqu (dQu) – 鉛直上方向 |
H の倍数 |
最小 |
Δqu (dQu) – 鉛直上方向 |
D の倍数 |
|
Δqd (dQd) – 鉛直下方向 |
D の倍数 |
― |
軸力 (Axial)
Tu = 管と土の間の最大摩擦擦力 (配管を伝達する単位長さ当たりの地盤の最大軸方向抵抗力)
D = 管外径
a = 粘土に対する粘性係数
c = 埋め戻し土の粘性 (非排水せん断強度)
H = 管中心における埋設深さ
= 土の有効単位重量
Ko = 据付時の土圧係数
構造物に作用する水平有効応力と土の鉛直有効応力の比。据付時とは、埋設管が動かないときの状態を示します。
δ = 管と土との間の摩擦角、d = ff
f = 土の内部摩擦角と、土-管との摩擦角に関連するコーティング依存係数
管コーティング |
f |
---|---|
コンクリート |
1.0 |
コールタール |
0.9 |
表面が粗い鋼 |
0.8 |
表面がなめらかな鋼 |
0.7 |
溶解接着エポキシ |
0.6 |
ポリエチレン |
0.6 |
f = 土の内部摩擦角
Δt = 管と土の間の最大摩擦擦力による軸方向変位
Tu = 密な砂には 0.1インチ、緩やかな砂には 0.2インチ、固い粘土には 0.3インチ、やわらかい粘土には 0.4インチ
水平方向 (Lateral)
Pu = 最大水平方向 土の支承能力 (埋設管に伝達する単位長さ当たりの最大水平土荷重)
Nch = 粘土の最大水平方向 土の支承能力 (c=0 のとき 0)
Nqh = 砂の最大水平方向 土の支承能力 (j=0°のとき 0)
係数 |
j |
x |
a |
b |
c |
d |
e |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Nch |
0° |
H/D |
6.752 |
0.065 |
-11.063 |
7.119 |
-- |
Nqh |
20° |
H/D |
2.399 |
0.439 |
-0.03 |
1.059E-3 |
-1.754E-5 |
Nqh |
25° |
H/D |
3.332 |
0.839 |
-0.090 |
5.606E-3 |
-1.319E-4 |
Nqh |
30° |
H/D |
4.565 |
1.234 |
-0.089 |
4.275E-3 |
-9.159E-5 |
Nqh |
35° |
H/D |
6.816 |
2.019 |
-0.146 |
7.651E-3 |
-1.683E-4 |
Nqh |
40° |
H/D* |
10.959 |
1.783 |
0.045 |
-5.425E-3 |
1.153E-4** |
Nqh |
45° |
H/D* |
17.658 |
3.309 |
0.048 |
-6.443E-3 |
1.299E-4** |
*CAESAR II は角度 40 から 45度に対して、高さ/径 (H/D) の比を最大 20 までとしています。ソフトウェアは比が 20 より大きな値であれば 20 に等しいとして指定された値を計算します。
**米国ライフライン連合 (American Lifelines Alliance) の規格では、砂の水平方向支承能力 (Nqh) を 40度と 45度の角度に対して負の値としています。これは、負の降伏荷重となります。CAESAR II は前述の表に示すように、これらの値を正の値として計算します。
Nqh は φ に対して 20°から 45°の間で補間することができます。
鉛直上方向 (Vertical Uplift)
Qu = 最大鉛直上方向 土の支承能力 (埋設管に伝達する単位長さ当たりの最大水平土荷重)
Ncv = 粘土の最大鉛直上方向 土の支承能力 (c=0 のとき 0)
Nqv = 砂の最大鉛直上方向 土の支承能力
= 密な砂から緩やかな砂に対して 0.01H から 0.02H、ただし < 0.1D
= 固い粘土から柔らかい粘土まで 0.1H から 0.2H、ただし < 0.2D
鉛直支承 (Vertical Bearing)
Qd - 埋設管に伝達する単位長さ当たりの最大鉛直支承能力
Nc, Nq, Ng= 鉛直支承能力係数
g = 埋め戻し土の乾燥重量
Dqd = Qd を生じさせる鉛直変位
= 0.1D 細粒状の土
= 0.2D 粘性質の土