CAESAR II は、吊り位置での鉛直方向の熱伸び量が リジッドサポート移動量基準 (Rigid Support Displacement Criteria) 未満である場合にはリジッドハンガーロッドを、吊り位置での熱伸び量が 最大許容トラベル限界 (Maximum Allowed Travel Limit) を超える場合にはコンスタントスプリングハンガーを選定します。その他の場合、ソフトウェアはすべてのハンガー設計データで与えられた設計要求を満たすもっとも小さいサイズの 1つのスプリングハンガーを選定します。
スプリングハンガー設計要求は次のとおりです:
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予想される据付荷重 (コールド時、持続荷重、拘束荷重、あるいは自重) と予想される運転荷重 (ホット時荷重あるいは変位荷重) に対してスプリングは作動範囲になければなりません。ソフトウェアは指定された ハンガー設計運転荷重ケース数 (No. of Hanger Design Operating Load Cases) および 複数荷重ケース設計オプション (Multiple Load Case Design Option) に従って、解析に含まれる運転荷重ケースのいずれのホット時およびコールド時の荷重を解析します。
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荷重変動の絶対値 (トラベルと選定されたスプリングのばね定数の積) を設計荷重で除した値が 許容荷重変動率 (Allowable Load Variation) (%) 未満であること。デフォルトの変動率は 25%です。
MSS SP-69 では、荷重変動率を運転時における荷重変化として定義しています。ユーザーが コールド時荷重 (Cold Load) 設計を選択した場合、ソフトウェアは運転時荷重の代わりに理論的なコールド時荷重を用います。
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ユーザーが 利用可能な空間 (缶タイプでは負の値) (Available Space (neg. for can)) を指定した場合には、選定したスプリングハンガーの基本寸法高さがこの利用可能な空間よりも小さいことを保証します。正の値は吊りタイプのハンガー高さと比較され、負の値は缶タイプの下置きスプリングとします。
設計要求を満足する 1つのスプリングが見つからない場合、ソフトウェアは設計要求を満足する荷重が半分の 2つの同じ仕様のスプリングを探します。設計要求を満足するスプリングが見つからない場合、ソフトウェアはコンスタントスプリングハンガーを推奨します。