空間的な、あるいはモーダル合成の順番 (Spatial or Modal Combination First) - CAESAR II - ヘルプ

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CAESAR II Version
13

(適用対象: スペクトル)

荷重ケース結果の合成方法を以下に説明しているように指定します。空間的 (Spatial) を選択すると、最初に荷重ケースの空間的な成分の合成を行います。モーダル (Modal) を選択すると、最初に荷重ケースのモーダルの合成を行います。

スペクトル解析では、モーダル応答のそれぞれが組み合わされます。さらに、複数の衝撃荷重が構造物に複数方向に作用する場合には、異なる方向の結果を合成する必要があります。たとえば、X方向、Y方向、Z方向の結果を空間的に合成する場合です。空間的な合成を最初に行うかモーダルの合成を最初に行うかで、最終結果に差が生じます。最初に空間的な成分の合成を行うのは、衝撃荷重がお互いに依存している場合です。一方、最初にモーダル成分の合成を行うのは、衝撃荷重がお互いに独立している場合です。

依存と独立は地震の X、Y、Z成分の時間軸での相関にあります。 依存している衝撃荷重は、地震荷重の X、Y、Z成分が直接に関係しています。衝撃荷重の方向を変化させると、他の方向にも対応する変化がもたらされます。たとえば、X軸と Z軸の間で 30度の傾斜を持つ断層のような、1つの軸よりも多い成分を持つ特定の方向の地震荷重に相当します。Z軸の荷重は tan 30°の係数によって得られますが、X軸方向に荷重があります。 このような場合には、空間的な合成を最初に行います。

独立した衝撃荷重は、X、Y、Z方向の時刻歴振動数依存のスペクトルを生成しますが、時間履歴と相関はありません。もっとも一般的なものは地震動のタイプが独立した場合で、この場合にはモーダル成分の合成を最初に行います。

たとえば、IEEE 344-1975 (地震品質クラス 1E 原子力発電設備機器 IEEE 推奨標準 - IEEE Recommended Practices for Seismic Qualification of Class 1E Equipment for Nuclear Power Generating Stations) では次のようにあります:

"地震動はランダムな地盤運動をもたらしますが、同時性があるものの統計的には独立した水平と鉛直の成分を持つ特徴があります。 - Earthquakes produce random ground motions which are characterized by simultaneous but statistically INDEPENDENT horizontal and vertical components."

荷重スペクトルの合成はあまり普通ではありません。通常は合成すべき分離した空間的な成分がないためです。すなわち、同時に X、Y、Z方向衝撃荷重が作用することはありません。1つ以上の潜在的な荷重がある場合には、空間的な合成方法が荷重の独立性を示すことから使用されます。たとえば、2つの独立した安全弁が同時に吹いたり吹かなかったりしていて、2つの衝撃荷重を X方向と Y方向のような異なる方向に定義する場合には、モーダル (Modal) を選択します。2つの弁が全く同時に吹いた場合には、荷重は依存しており、空間的 (Spatial) を選択します。でなければ、荷重スペクトルの方向は意味をもちません。

  • 原子力規制ガイドライン (Nuclear Regulatory Guide 1.92) 1976年2月発行 では、原子力発電所の地震応答スペクトル解析における空間成分の合成に対する要求事項を規定しています。

  • すべての時刻歴解析の合成は同位相の代数的加算であるため、時刻歴解析結果ではこのオプションは無効です。