配管系の疲労解析 (Fatigue Analysis of Piping Systems) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

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日本語
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CAESAR II
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CAESAR II Version
13

IGE/TD/12 では、繰り返し荷重作用下の詳細な疲労解析を要求しています。さらに、ASME Section III, Subsection NB および ASME Section VIII Division 2 では、配管と耐圧機器に適用する疲労評価のガイドラインを規定しています。CAESAR II では、可能な限りこれらの手順に準拠して疲労評価を行います。

疲労解析の実行 (Perform fatigue analysis)

  1. 許容応力 (Allowable) 補助ダイアログで、疲労データを入力するか、テキストファイルを読み込みます。ユーザーは、独自の疲労線図を定義することもできます。定義の方法は後で説明します。このようにして、配管材料に対する疲労線図データを設定します。

    CAESAR II では、一般によく使われる線図を用意しています。

  2. 静的 (Static) あるいは 動的荷重ケース作成 (Dynamic Load Case Builders) のいずれかで、それぞれの疲労ケースにおいて想定されるサイクル数を定義します。

    応力タイプ FAT も使用可能です。

  3. 疲労応力は、適用規格で陽な形で定義されていない限り、ASME Section VIII, Division 2 Appendix 5 の要求事項と整合していることを確認します。CAESAR II では疲労応力を応力強さとして計算します。

    IGE/TD/12 は、CAESAR II がサポートする配管規格では、唯一疲労応力計算を陽な形で規定しています。IGE/TD/12 の詳細は、IGE/TD/12 を参照してください。

  4. 疲労許容応力は、疲労線図の荷重に対する想定回数から対数補間で算出します。静的荷重では、熱膨張、沈下、あるいは圧力などの計算応力は全振幅の応力であり、許容応力は疲労線図から直接得ることができます。調和振動解析と動的荷重ケースでは、片振幅の応力ですから、疲労強度は 2 で除して比較されます。

  5. 想定される繰り返し数に対する疲労許容応力の計算の裏返しとして、計算された応力レベルに対する許容繰り返し数の計算があります。これは、計算応力を元にして疲労線図から「回数」の軸で対数補間によって得ることができます。静的荷重では、全振幅の応力ですから、疲労線図から直接許容回数を得ることができます。調和振動と動的応力は片振幅の応力ですから、計算応力を 2倍して対数補間により、許容繰り返し数を得ることができます。

  6. CAESAR II では、応力種類 FAT の荷重ケースの結果を 2つのレポートで出力します。最初のレポートは標準的な 応力 (Stress) レポートで、計算疲労応力と疲労許容値をそれぞれの節点で表示します。

応力レポートはそれぞれの荷重ケースで出力され、個々の荷重ケースで許容値を満足するかを判定します。

しかしながら、複数の荷重ケースが疲労損傷に寄与するような場合には、累積使用 (Cumulative Usage) レポートが必要になります。このレポートを出力するために、ユーザーは配管系の劣化に寄与するすべての FAT 荷重ケースを選択します。累積使用 (Cumulative Usage) レポートはそれぞれの節点での許容サイクルに対する設計サイクルの比率、すなわち損傷率を表示します。これらの総和をとって全累積損傷とします。1.0 を超える場合は、疲労損傷の可能性があると判断されます。