EN-13480 - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
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CAESAR II
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ヘルプ
CAESAR II Version
13

たわみ係数計算 (Flexibility Calculations)

EN-13480規格では、熱間時の縦弾性係数を配管系の応力解析に用います (Section 12.2.7.2)。熱膨張の許容応力は、最終的に Eh/Ec で修正されます (Section 12.1.3.2)。

たわみ性応力 (Flexibility Stresses)

EN-13480 規格では、2つの方法でたわみ性応力計算を行います。CAESAR II のデフォルトでは、Sections 12.3.2 から 12.3.5 までの式を用います。これは、SIF を用いた SRSS での計算です。他の方法は、たわみ性応力計算を面内と面外の曲げモーメントに分けて SIF を使う方法で、Section 12.3.1 に記述されています。この代替法のオプションは、環境設定ファイルの編集 (Configuration Editor)EN-13480/CODETI Use In-Plane/Out-Plane SIF (EN-13480/CODETI – 面内/面外のSIF) を参照してください。

応力式の詳細 (Stress Equation Details)

EN-13480-3:2017

配管規格は 1つの SIF を用いる手法 (H.1) で明確な式を規定しています。代替法である方向性を持つ SIF を用いる手法 (H.3) では、配管規格は定義された条件に対して長手方向応力に関する一般的な規定があります。ねじりは長手方向応力の一部ではないため、CAESAR II は、SUS や OCC と同様に、ねじり応力を一次応力計算に加算しません。環境設定ファイルの編集 (Configuration Editor)Add Torsion in SL Stress (応力SLにねじり応力を追加)Yes に設定すれば、ねじり応力が一次応力に加算されます。

さらに、一次応力 (SUS あるいは OCC) で SIF が 0.75i に低減されるのは、1つの SIF を採用する手法 (H.1) のみの場合です。代替法である方向性のある SIF (H.3) では、配管規格は一般的な規定として、モーメントに対する 0.75i は「Table H.3 に従って ii と io に置き換える」ように規定しています。このことから、CAESAR II のデフォルトでは SUS と OCC の SIF を低減していません。オプションとして、環境設定ファイルの編集 (Configuration Editor)SIF Multiplier for Sustained Stress Index (持続応力指数の SIF 乗数) を設定します。

EN-13480-3:2017/A4:2021

配管規格は 1つの SIF を用いる手法 (H.1) と代替法である方向性を持つ SIF を用いる手法 (H.3) で明確な式を規定しています。圧力、曲げ応力、軸方向応力、ねじり応力のすべての項は、明確に計算式で規定されています。CAESAR II クイックリファレンスガイド海外国際規格応力 を参照してください。

短期荷重応力 (Occasional Load Stress)

EN-13480-3:2017

配管規格は持続荷重 (SUS) と短期荷重 (OCC) から組み合わせて応力を算出します。

SUS荷重は、自重や圧力、冷間時の据付ハンガー荷重と圧力によって生じる断面力を含む配管に作用する一次荷重に起因する荷重です。OCC荷重は、風荷重や地震荷重です。

EN-13480-3:2017/A4:2021

応力の組み合わせに関する従来の手法に代わって、配管規格は SUS と OCC の荷重とモーメントを合成する OCC 応力式を規定しています。

代替熱膨張応力 (Alternative Expansion Stress) (Sigma4)

EN-13480 は代替熱膨張応力を次のように規定しています:

s4 = s1 + s3£ ff + fa

CAESAR II は、形を変えて代替式を次のように適用しています:

s3 = ff + fa - s1

これらの2つの評価式は数学的に等価ですが、熱膨張応力 (s3 に対して s4) の実際の値と許容応力比率は異なります。リベラルな熱膨張許容応力 (Liberal Stress Allowable) を参照してください。

腐れ代 (Corrosion Allowance)

一次応力である SUS と OCC の応力計算で腐れ代を考慮します。二次応力計算では、公称管特性を使います。

圧力硬化 (Pressure Stiffening)

配管規格では、圧力による硬化の影響を円滑なベンド、幅の狭いマイター、幅の広いマイターに考慮します。

フランジ硬化 (Flange Stiffening)

配管規格では、フランジによる硬化の影響を円滑なベンドと幅の狭いマイターに考慮します。

1つの SIF を用いる場合の H.1式では、配管規格はフランジによる硬化を幅の広いマイターに適用しています。方向性のある SIF を用いる場合の H.3式では、配管規格はフランジによる硬化を幅の広いマイターに適用しています。

クリープ (Creep)

高温クリープ荷重 (Creep Loading) を参照してください。

断面係数 (Section Modulus)

EN-13480-3:2017

1つの SIF を用いる場合のブランチ H.1式では、次の有効厚さを用いた有効断面係数が計算されます: SIF*ブランチの公称厚さ

1つの SIF と方向性を持つ SIF を用いる場合のブランチ H.2式では、標準の断面係数が使われます。

方向性を持つ SIF を用いる場合のブランチ H.3式では、次の有効厚さを用いた有効断面係数が計算されます: SIF*ブランチの公称厚さ

EN-13480-3:2017/A4:2021

1つの SIF を用いる場合のブランチ H.1式では、SIF に有効断面係数が含まれます。

1つの SIF と方向性を持つ SIF を用いる場合のブランチ H.2式では、配管規格は補強なしティーに対して特殊な計算を規定して断面係数と SIF の計算により形状的な考慮がなされています。.

方向性を持つ SIF を用いる場合のブランチ H.3式では、有効断面係数が SIF に含まれます。ソフトウェアは面内の SIF を使います。

すみ肉溶接 #8 と #9 では、新しい式ですみ肉溶接の のど厚に用いられる値と標準値との間の最小値にもとづいて断面係数を計算します。