代替持続荷重 (Alternate Sustained, SUS) と 代替短期荷重 (Alternate Occasional, OCC) ケースを理解する - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
Search by Category
ヘルプ
CAESAR II Version
13

CAESAR II は 代替 (alternate) 荷重ケースと呼ばれる新しい静的荷重ケースの設定ができるようになりました。B31.3 2004年版の配管規格は改訂前にあった付属書 Appendix P を規格本体に組み込みました。この付属書は持続荷重による応力について記述されていました。この変更に対して、CAESAR II は代替支持条件を用いて追加の持続荷重ケースを作成するように修正しました。

静的解析 - 荷重ケース編集 (Static Analysis - Load Case Editor)代替 (Alternate) SUS/OCC チェックボックスにチェックを入れることで、前に定義された運転荷重 (OPE) での支持条件を用いた関連する持続荷重 (SUS) あるいは短期荷重 (OCC) ケースを作成することができます。CAESAR II は OPE 荷重ケースで決定した支持条件を用いて代替 SUS あるいは OCC 荷重ケースを作成します。さらに、ソフトウェアは代替 SUS あるいは OCC 荷重ケースに適用されないすべての荷重ケースオプションを無効にします。

B31.3 は代替持続荷重 (Alternate Sustained, SUS) と 代替短期荷重 (Alternate Occasional, OCC) ケースについて詳細な記述がありませんが、SUS と OCC は荷重制御型であり OCC についても SUS と同様に扱う必要があるため、CAESAR II では代替持続荷重 (Alternate Sustained, SUS) と 代替短期荷重 (Alternate Occasional, OCC) ケースを用意しています。

支持の浮き上がりなどの支持条件が変化する配管系で、この機能を使います。このような状態での持続荷重の配分が変化することでひずみに変化が生じます。ソフトウェアは計算される配管の位置の範囲から代数的な差に基づいて変位によるひずみ範囲を計算します。変位によるひずみとともに、評価される条件での持続荷重による位置を計算します。

荷重ケースは前に定義した運転荷重 (OPE ) ケースでの支持条件に対応して1次応力を計算します。しかし、代替持続荷重 (SUS) あるいは代替短期荷重 (OCC) ケースは配管系の実際の構造状態を表現しているわけではありません。代替 SUS あるいは代替 OCC 荷重ケースでは、次のことに注意が必要です。:

  • これらの代替持続荷重ケースは最大持続応力を計算するために設けられており、熱膨張応力許容範囲が計算するために使われます。

  • 代替 SUS あるいは代替 OCC 荷重ケースからの支持荷重は、実際のシステムの構造的な状態を表すものではありませんので、使用しないでください。CAESAR II は代替 SUS あるいは代替 OCC 荷重ケースに関する拘束レポートを作成しません。

  • 動的解析では代替 SUS あるいは代替 OCC 荷重ケースを使用しないでください。その代わりに支持条件としては対応する運転荷重ケースを選択してください。

  • 新しい 2つの荷重ケーステンプレート (.tpl ファイル) が推奨荷重ケーステンプレートして用意されています。これらのテンプレートでは代替 SUS および代替 OCC 荷重ケース用に作成されています。詳細は、荷重ケーステンプレート (Load Case Template) を参照してください。

  • リベラルな許容応力範囲を表す代替持続応力 (Alternate Sustained, SUS) は式 (1b) の要求事項に満足する簡単な方法を用意しています。式 (1b) を用いる場合には、持続応力は許容応力範囲に影響を与えません。

代替持続応力が適切に式 (1b) の許容応力範囲を設定しますが、代替短期応力は単に短期荷重 (SUS+OCC) にのみ影響を与えます。次に示す荷重ケースによる応力タイプを使うことができます:

  • L1: OPE (運転荷重ケース)

  • L2: Alternate SUS (代替SUS, L1 の運転時支持条件を使用)

  • L3: SUS (持続荷重のみによる標準の持続荷重ケース)

  • L4: OPE (運転荷重ケース、あるいは短期荷重を考慮した運転荷重ケース)

  • L5: Alternate OCC (代替OCC, L4 の運転時支持条件を使用)

  • L6: EXP (L1-L3で定義される熱膨張荷重ケース)

  • L7: SUS (L2 とL3 の最大で、最大 (Max) の合成方法によって短期荷重と合計する)

  • L8: OCC (L7+L5, スカラー (Scalar) の合成方法を使用)

詳細は、応力タイプ (Stress Type) および 合成方法 (Combination Method) を参照してください。

それぞれの運転条件での最大持続荷重 (SL) となる荷重条件と支持に関するシナリオに関するより詳細な情報は、B31.3配管規格の Appendix SExample S302 を参照してください。