Shell Thickness Calculations (シェルの厚さ計算)
Half Pipes の最初の計算は内圧によるシェルの必要厚さの計算です。必要厚さの値は ASME 規格 Paragraph UG-27 の式 1 を使って計算します。腐れ後の厚さの値を計算で使います。シェル外面壁を内部の半割り管ジャケット壁として使いますので、シェルの腐れ代とジャケットの腐れ代が考慮されます。計算と結果がこのセクションの出力になります。
内圧による必要厚さの計算が終わると、ジャケットの圧力である外圧による必要厚さが算出され、表示されます。この値は次のセクションで説明されている圧力の計算で得られます。
Pressure Calculations for Input Shell Thickness (入力されたシェル厚さについての圧力計算)
このセクションの出力である計算結果はジャケットの外圧計算で、入力されたシェルの厚さを使って計算されます。内圧計算の最初の手順では適切な線図から係数 K を決定します。線図はジャケットの公称管サイズと係数 K に基づいて選択され、これはシェル内径とシェルの厚さの係数です。線図と係数 K が出力として表示されます。前に述べたように、公称径 2.5 と 3.5インチに対しては線図内で繰り返しが行われ、係数 K が決定します。このケースでは、繰返し計算が実行され、2つの線図が結果として表示されます。
内圧計算の次の手順で、長手方向応力を計算します。この計算は、腐れ後のシェル内半径とシェル厚さの腐れ後の値を使って腐れ後の計算になります。長手方向応力と前に決定した係数 K を使って、Appendix EE, Paragraph EE-1 の 式 1 から許容ジャケット圧力を算出します。入力されたシェルの厚さに対して、許容ジャケット圧力は許容最大ジャケット最大圧力 (MAWP) になります。また、入力されたジャケット設計圧力とも比較されます。
Half-Pipe Jacket Thickness Calculations (半割り管ジャケット厚さの計算)
入力されたジャケットの厚さは、ジャケットに作用する内圧に対して妥当か検証されます。計算は Appendix EE, Paragraph EE-1 の式 2 に基づいています。前の計算での腐れ代が厚さ計算に考慮されます。入力された厚さが十分でない場合には、ソフトウェアは適切な管厚さを繰り返し計算で算出します。繰り返しは標準のスケジュール管 5S から始まり、許容されるスケジュール管が求まるまで計算が続けられます。
ソフトウェアの選択した管のスケジュールは、標準の製作公差の値 (0.875) で調整されます。ユーザが入力した厚さの値は、製作公差調整を使用しません。ユーザーの入力した厚さの値が妥当でない場合には、選択した管スケジュールと調整された厚さが出力に表示されます。
Minimum Fillet Weld Size Calculations (最小すみ肉溶接サイズ計算)
Paragraph EE-1 で記述されているように、"The fillet weld attaching the half-pipe jacket to the vessel shall have a throat thickness not less than the smaller of the jacket or shell thickness. (半割り管ジャケットが容器に取り付けられるすみ肉溶接のど厚は、ジャケットあるいはシェル厚さより小さくはならない。)" 従って、ソフトウェアは2つの厚さの最小値を選択し、溶接係数 (1.414) を乗じ、この値を最小すみ肉サイズとします。出力レポートは 2つの厚さのうちのいずれに基づいているか示しています。
Summary of Results (結果の要約)
要約セクションで表示される最初の値は、シェルの厚さの値です。入力厚さのエコーが 2つの必要厚さ計算とともに表示されます。これらの結果の比較で、シェルの厚さが内圧あるいは外圧のどちらで決定されたのかを簡単にチェックすることができます。次の 3つはジャケットの圧力結果です。入力された設計圧力は、入力された厚さと必要厚さに対する MAWP とともに表示されます。次に表示される値は半割り管ジャケットの厚さです。入力された厚さは、必要厚さとともに表示されます。さらに、入力された厚さが妥当でない場合には、プログラムによって選択された厚さが表示されます。最終的に、最小すみ肉溶接サイズが示されます。